Background
メーカーが既存の売り切り事業に加えて、新たに製品のサブスク事業を立ち上げる際、すでにサブスク事業の運営基盤を持つサービス事業者と協業することは有力な選択肢である。これにより、製造業者単独で物流、設置、回収、顧客対応といった機能を立ち上げる必要がなくなるため、短期間で事業を開始しやすくなる。このような協業では、メーカーが製品をサービス事業者に供給し、サービス事業者が顧客向けに月額サービスとして提供する。その際、メーカーは製品を比較的低い価格で供給する代わりに、サービス売上の一部を受け取るレベニューシェア型の条件を採ることがある。本ケースでは、メーカーが家庭用エアコンのサブスク事業を構想し、すでに家具・家電のサブスク事業を展開するサービス事業者と提携して事業化を進める状況を対象とした。
The Challenge
複数社が協業して、新規のサーキュラービジネスを始める際、協業条件の設計は事業成立の鍵を握る。例えば、修理担当者や仕入れ価格、販売価格、売り上げ配分などといった協業条件の設計次第で、片方には利益が出ても、もう片方には十分なリターンが残らないことがある。一方で、既存のExcel等を用いた積み上げ式の試算では、前提条件を変えた際の影響を比較しにくく、どの条件であれば双方にとって成立するのかを明確にしづらい。そのため、双方にとって妥当な条件を定量的に整理できず、PoCの立ち上げや協業開始に向けた意思決定が進みにくい。
製造業者とサービス事業者の双方にとって、どのような条件であれば事業が成立するのかを整理した。その上で、仕入れ価格、販売価格、売上配分、保守分担などを変えた複数の協業シナリオをシミュレーションで比較し、双方に十分なリターンが残る条件を定量的に可視化した。これにより、PoCの立ち上げや協業開始に向けた具体的な議論と合意形成を前進させた。
The Results
